体位変換は介護士と利用者双方にとって負担の大きい作業です。負担を減らすためには、一連の動作をスムーズに行わなければなりません。そこで重要となるのがコミュニケーションです。協力体制ができていれば、最小限の負担で作業を終えることができます。ボディメカニクスを活用して効率的に体位変換をしましょう。実際に、多くの介護士が腰痛に悩まされています。体位変換は毎日行う作業なので、日頃から負担を減らすための工夫をすることが大切です。
腰痛防止に大きな効果を発揮するのがボディメカニクスです。ボディメカニクスとは骨格や筋肉などの身体のメカニズムを活用し、効率的に作業を行う技術のことをいいます。足幅を前後左右に広げて支持基底面積を大きくしつつ、重心を近づけて負担を減らしましょう。指や手だけでなく、腹筋や背筋などの大きい筋肉を使うイメージを持ってください。利用者を移動させる際には腰と肩の位置を平行にして、てこの原理を使いながら動かしていきます。
体位変換をする際に役立つツールを紹介します。クッションや枕を有効活用しながら作業を進めてください。体位変換用に開発されたツールもあります。様々な形状のものがあるので、利用者の状態に応じて選んでください。こういったツールは介護保険が適用される場合もあります。安価でレンタルが可能で、介護士として扱う機会も多いでしょう。どのようなツールがあるのかを事前に覚えておくといいかと思います。また、実際に購入してみるのもおすすめです。
体位変換をする際には必ず、事前に利用者への声がけを行ってください。同時に、「身体を左側へ向けます」など、これからどのような動作を行うのかを伝えましょう。皮膚の状態をこまめに確認し、褥瘡を防ぎます。シーツにしわがあれば伸ばしてください。仰臥位(仰向け)から側臥位(横向き)に体位変換する際には身体の向きに注意しましょう。どの体勢がベストなのかは利用者によって異なります。周囲と相談しながら決めてください。
体位変換が苦手な人は教育体制が整った職場で学びましょう。教育体制の充実度を自力で調べるのは困難です。そのため、内部事情に詳しい転職エージェントを活用してください。自力で探すよりも多くの情報を得ることができます。
体位変換の負担を減らすためには利用者とのコミュニケーションがカギとなります。協力体制を作ることでスムーズに作業を進められるためです。介護士は腰痛になりやすいので、あらかじめ対策を練っておきましょう。