体位変換をする際に重要なのは、介護士と利用者双方の負担を可能な限り減らすことです。ボディメカニクスを取り入れた介助方法も有効ですが、それと併せて便利なツールも活用しましょう。具体的にどのようなツールがあるかを紹介していきます。
自宅にあるもので活用できるのがクッションや枕です。使えそうなものがない場合は、体位変換用に開発されたクッションを使いましょう。リング状のものなど、いくつかの種類があります。クッションや枕は身体の向きを変える際に便利です。側臥位を維持するために背中側に置く、足の間に挟んで褥瘡ができないようにするなど、使用方法は様々です。以下に具体例として実際に販売している体位変換用クッションを紹介しますので参考にしてください。
体位変換器、別名「ポジショニングツール」は体位変換をサポートするツールです。エアマットやクッションなどが該当します。クッションには枕型やバナナ型などいくつかの種類があります。様々なタイプの体位変換器を活用することで、負担を大幅に減らせます。
スライディングシートは滑りやすい生地で作られたものです。介護者の腰痛防止、利用者本人の負担軽減などに効果があります。種類も豊富なので、購入の際は利用者の状態に応じたものを選びましょう。以下に具体例として実際に販売しているスライディングシートを紹介しますので参考にしてください。
また、シーツ交換時やベッドを起こす際に便利なツールとして、スライディンググローブもおすすめです。こちらも滑りやすい生地で作られており、負担を大幅に軽減できます。
体位変換器や体位変換機能つきマットレスなどの福祉用具は、介護保険が適用されるため安価でレンタルできます。利用者の状態に応じて使用できるツールは異なってくるため、レンタルを希望する際はケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談することになります。訪問介護士として働く場合、利用者の自宅にあるこれらのツールを使用するため、あらかじめツールの種類やそれぞれの使用方法についても理解しておきましょう。介護施設で働く場合でも、あらかじめ何らかのツールが用意されているケースがあります。事前に確認し、使用方法が分からなければ先輩に聞きましょう。こういったツールは年々需要が伸びており、開発も進められていますので、日頃からチェックしておくようにしてください。実際に購入して、自分の目で確かめてみるのもおすすめです。
体位変換が苦手な人は教育体制が整った職場で学びましょう。教育体制の充実度を自力で調べるのは困難です。そのため、内部事情に詳しい転職エージェントを活用してください。自力で探すよりも多くの情報を得ることができます。
体位変換の負担を減らすためには利用者とのコミュニケーションがカギとなります。協力体制を作ることでスムーズに作業を進められるためです。介護士は腰痛になりやすいので、あらかじめ対策を練っておきましょう。