介護士なら身につけたい 体位変換のキホン

体位変換の負担を減らす方法

MENU
負担を減らすにはどうすればいいのか
更新日:

負担を減らすにはどうすればいいのか


お互いにとって負担の少ない介護を

体位変換は介護士にとって必須スキルです。業務の中で実施する頻度も多いので、負担の少ない体位変換の方法を知っておきましょう。力任せに行うと自分の身体を痛めるだけでなく、利用者の身体も傷つけてしまいます。介護士と利用者双方にとって負担の少ない体位変換の技術を身につけてください。それが結果として介護の質向上につながり、自身のキャリアにもいい影響を及ぼします。

負担を減らすポイント

負担を少なくするためには、一連の動作をスムーズに進行する必要があります。そこで大切なのが介護士と利用者のコミュニケーションです。双方の協力体制がなければ体位変換ができないためです。介護士の力だけで無理に身体を動かすと大きな負担がかかります。事前に体位変換をすることをお伝えして、協力してもらえるようにしてください。例えば、腕組みや膝を立てるといった動作です。身体を小さくまとめることで体位変換が容易になり、ベッドとの摩擦が減るので褥瘡のリスクも軽減されます。これから体位変換をする旨を伝えることで、精神的な負担も少なくて済みます。
肩を起こす前に膝を自分の方に倒してください。身体を起こす方に回転しやすくなり、お互いの負担も減ります。ボディメカニクスの原理を利用しながら体位変換をするのもおすすめです。ボディメカニクスは身体の構造や動きの作用に関連する力学を利用したものです。てこの原理や重心の位置などを活用しながら、最小限の力で身体を動かせます。また、ベッドの高さを調節しながら体位変換をするといった工夫も必要です。

介護士は腰痛になりやすい

体位変換は前かがみや中腰の姿勢で行うことが多いです。体位変換をする度に腰に大きな負担がかかるため、腰痛に悩んでいる介護士も少なくありません。厚生労働省の発表によると、令和元年に発生した休業4日以上の業務上疾病は8,000件以上で、その内5,000件以上は腰痛であることが判明しています。さらに業種別で見ると、介護士を含む保健衛生業の割合が最も高いようです。国も労働現場における腰痛の発生率の高さを問題視しており、「職場における腰痛対策行動指針」などを通して対策を呼びかけていますが、そういった取り組みだけでなく個々が対策することも大切です。体位変換に限らず、移乗介助や入浴介助など、介護士は身体に負担のかかる業務を毎日行っています。少しでも長く介護士として活躍していくためには、日頃から負担を減らすための工夫をする必要があるのです。

介護士の基本スキル「体位変換」を身につけたい人へ

Twitter