寝たきりの状態になり自力で動けない人の姿勢や身体の向きを変えます。身体を動かす機会が減っている高齢者は関節の硬直化が進んでいて血液の循環も悪くなっています。同じ体位のままだと状態が悪化するため、定期的に体位変換をする必要があります。また、QOL(クオリティオブライフ)向上の観点でも重要な役割を担います。その人が自分らしく生活を送るために必要な動作をサポートすることが目的です。体位変換の頻度の目安は大体2時間ごとです。
同じ体位のままだと運動器障害を引き起こします。筋委縮・筋力低下だけでなく、関節が炎症して可動範囲が狭まる可能性があります。身体機能の低下は食事量の低下にもつながるため、栄養素の不足を引き起こすかもしれません。また、循環器・呼吸器にも悪影響が及びます。特に注意すべきなのが褥瘡(床ずれ)で、これを防ぐためには定期的な体位変換が必須となります。また、気分が落ち込んでいる高齢者は精神障害に陥るリスクもあります。
体位変換が苦手な人は教育体制が整った職場で学びましょう。教育体制の充実度を自力で調べるのは困難です。そのため、内部事情に詳しい転職エージェントを活用してください。自力で探すよりも多くの情報を得ることができます。
体位変換の負担を減らすためには利用者とのコミュニケーションがカギとなります。協力体制を作ることでスムーズに作業を進められるためです。介護士は腰痛になりやすいので、あらかじめ対策を練っておきましょう。